来院までの身体の状態
Hさんは7年前に歩けなくなるほどの症状が出て、椎間板ヘルニアの手術、3年位は良くなりました。
その後お尻、股関節、もも、すね、ふくらはぎの痛みが再発し、それが取れない状態が続きました。
座るなどの安静にしている時に痛みが出やすく、薬は効くけど時間で切れる。
他の治療院を試すもなかなか良くならない。
接待ゴルフで年間100ラウンド超プレーしてゴルフにも影響がでている。
左右に症状があるが左側が辛い、じっとしているよりも動いた方が楽なのでゴルフでも歩いていたそうです。
体の検査
前屈動作をすると床に指が全体的に着き、痛みは出ません。
また左側仙腸関節がやや硬い状態でした。
当院の施術プラン
当院ではトリガーポイント整体で、Hさんの日常生活とゴルフスイング時の痛みを支障のないレベルにすることを目指しました。
1 膝下ふくらはぎからすね
2 股関節からお尻
3 裏もも
症状はズーンとした鈍痛、ジンジン疼く痛み、動作によってはズキンと強い痛み、膝下のしびれ感があります。
トリガーポイントとは関連痛、拡散痛と言って患部や離れた所に痛みや反応のことです。
施術によってHさんの気になるふくらはぎ・お尻に気になるズーンと鈍痛、・ズキンと強い痛みが再現される反応が症状の原因と考えて、それで痛みや反応がなくなることで症状の回復を図ります。
施術
すねの腓骨筋のアプローチ
まずはHさんの一番気になるすねからふくらはぎのジンジンとした症状から始めました。
仰向けの体勢で、すねの腓骨筋にアプローチを行いました。
Hさん「足の甲、足首の前に響きます」
足首が後に色々と関わっていることが判明します。
小殿筋、腸骨筋のアプローチ
次は仰向けの姿勢で、すねの症状に影響を及ぼす股関節周りの外から前の小殿筋、腸骨筋へのアプローチです。
Hさん「うう これが原因かも、すねとお尻が怠くなります。」
Hさんが2番目に気になるのは股関節ですが、膝下のしびれと痛みの症状が再現される反応が出始めました。ここが最重要ポイントの一つですね。
膝下のふくらはぎのアプローチ
うつ伏せに体勢チェンジして、一番気になる膝下のふくらはぎにアプローチを行いました。
Hさん「うっ痛」
関連痛はなく局所的に強い痛みですが、足首の動きが制限されてしまいます。
殿筋群のアプローチ
Hさん「ああ、効く。もも裏が痛くなる」
訴えている症状が再現される反応です
裏もものハムストリングスのアプローチ
Hさん「それ当たり。張っているので解して欲しい。」
ガチガチの塊があり押されると膝関節が曲げにくくなります。
Hさんはのトリガーポイントはとても分かりやすく、股関節周り殿筋群の関連痛がふくらはぎ・もも裏に再現される反応が一番出ました。
もも裏はふくらはぎにすね、ふくらはぎは足首にと下に下にと反応があるのは典型的な坐骨神経痛です。
施術後の変化
5回目までは4日おきで左側中心の施術となりました。
6回以降は7日おきで左右両側の施術合計12です。
仕事とゴルフに支障がないレベルまで回復されました。
10ヶ月後に右坐骨神経痛の症状が出て、酷くなる前に来院されました。
元々は右側にも症状があるのですが、左側が強い症状なので左側を中心に施術をして回復されたので、今度は右が気になる感じになったというわけです。
右側は7~14日置の施術合計10回で気にならないレベルに回復されました。
Hさんの坐骨神経痛の原因とは
左坐骨神経痛は典型的な臀部→もも裏→膝下というパターンでした。
臀部のトリガーポイント反応が一番強く、それが落ち着くと共に症状も軽減したので原因と判断しました。
右坐骨神経痛は同じパターンを予想していましたが、Hさんが言うには「右ふくらはぎの形が左と違うのと右足首を捻りやすく、なんとなくこれが坐骨神経痛の原因な気がするので整形の先生に訴えるも、そんなことはない」と言われたそうです。
またHさんは他にもこんなことを言ってました。
「以前、ふくらはぎの肉離れしてから形が変わった。」
「また、ゴルフなどで長く歩くと右足首だけが捻ることが少なくないのでそれが気になっていた。」
当院では始めは臀部・ふくらはぎ中心の施術でしたが、思いのほか臀部の早目に反応が弱まったのにまだ足の違和感が残るので、Hさんの気になるふくらはぎ中心の施術に移行しました。
ふくらはぎの押圧で強い痛みと共にトリガーポイントに当たると足裏、もも裏にも響きます。
私が「足首を動かしてください」と言うと
Hさん「動かない」
痛みもあるのですが抑え込まれて足首が抑制状態でした、トリガーポイントが解れると、
Hさん「足首がスムーズに動く。これがとれれば楽になりそう」
これで足首が原因と確信したHさんは足首専門先生の整形外科で受診しX線の結果、足首の歪みがあり肉離れもこれが原因ではないかとの診断。
その後は当院の施術と整形外科からのエクササイズを実施して改善されていきました。
まとめ
私橋爪は以前トレーニングのセミナーを受講して足首の影響力を勉強していたこともあり、スムーズにふくらはぎ・足首の施術に移行しましたが、この知識がなければ臀部、骨盤帯にこだわっていたかもしれません。
骨盤帯の不具合から足へと広がる坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛の症状になるとのが直接的要因ですが、この一件で足首の不安定が骨盤帯の不具合に繋がると分かったことがとても貴重な体験でした。
骨盤帯の不具合を回復しても足首の問題を解決しないとまた再発してしまうので、固定観念にとらわれてはいけない・お客様の感覚を真摯に汲み取り改善に導くことの大切さを痛感した事例でした。